不貞の季節 2000-09-02
公開:2000-09-02
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解説
SM小説の巨匠・団鬼六の同名短編小説を大杉漣主演で映画化した、屈折した男と女の愛憎ドラマ。20年前。かつては純文学作家を目指したもののいまではエロ・グロ小説を書いている黒崎。妻・静子との関係もギクシャクしてきた。そして、静子の不審な行動に不貞の疑いを抱く。やがて、編集者・川田が静子との関係を告白する。静子の自分には見せない一面を川田から聞かされ、黒崎は、嫉妬と自虐的な状況にかつてない興奮と欲情を覚え、川田にふたりの情事を録音させるのだった。
あらすじ
20年ばかり前の話。SM作家の黒崎は、取材と称して自室にモデルの女・京子を連れ込んでは、編集者・川田に緊縛させセックスを楽しんでいた。ある日、その様子を目撃した妻の静子が、黒崎との夜の交渉を絶つと言い出した。だが、実は彼女は川田と密通していたのだ。そのことを川田から聞き出した黒崎は、嫉妬に震えながらもふたりの淫らなセックスに創作意欲を掻き立てられてしまう。「興味があるなら言えばよかったんだッ、私が縛ってあげたのに!」それから暫くして小説のめどが立った日、黒崎は静子にこう言った。しかし、そんな夫に静子は冷たくも穏やかに言い放つ。「だめよ。あなたは川田のように上手に縛ることは出来ないでしょ? あなたは文章だけの、観念だけの男よ」 やがて、黒崎と静子に別れの時が来る。それから20年後、黒崎は発表を差し控えていた小説を世に送り出す。