女がいちばん似合う職業 1990-12-22

公開:1990-12-22/製作:1990年    old
日本
 

解説

 黒沢直輔が監督し桃井かおりが主演したハードボイルド作品。桃井の友人であり前年に急逝した松田優作に捧げる内容となっており、彼の作品に欠かせないスタッフ(脚本の丸山昇一、撮影の仙元誠三)が顔を揃えている。
 型破りな女刑事きぬは、エレベーターで妊婦が惨殺された事件を担当することになった。容疑者として佐山吾郎という青年が浮上、きぬは同僚の木戸吉夫、束田文夫と張り込みを続けるが、吾郎はまったく犯人らしい素振りを見せない。留守中の部屋に潜入したきぬは帰宅した吾郎と鉢合わせするが、二人の距離は徐々に近づいて行った。ある日、きぬが自分を襲った男を射殺し行方をくらますが、実は男を撃ったのは吾郎だったのだ。数ヶ月後、きぬは妊婦となって戻ってくるのだったが…。

あらすじ

大都会の夜。30過ぎの女刑事・きぬは今日も恋人を待ち続けるかのように張り込みをしている。ターゲットは前科者の三人兄弟を息子に持つバー『マミー・ブルー』のマダム。犯罪がはびこるこのバーでマダムを締め上げ、大胆にも息子たちに宣戦布告をするという型破りを見せるきぬは、今までに書かされた始末書も数え切れないほどあるという刑事だった。そんな時、とあるビルのエレベーターで妊婦の惨殺死体が発見される。そして目撃者の証言から吾郎というスレンダーな若者がその容疑者として浮かび上がる。きぬは同僚の刑事・木戸と束田と共に吾郎の張り込みに明け暮れるが、何もない殺風景なマンションで孤独にただ座り続けるだけで、犯人らしい素振りは全く見せなかった。きぬは彼が留守の間に部屋に入り込むが、帰宅した吾郎と鉢合わせてしまう。それでも表情ひとつ変えずただ部屋の隅に座り続ける吾郎。きぬはそんな吾郎に近づいていき、奇妙な関係を作ってしまう。数日後、木戸と束田が張り込んでる部屋にひょっこりと吾郎が現れる。吾郎は彼らの動きをすべて見通していたのだ。そしてまた何食わぬ顔でそこに現れるきぬ。木戸はそんな二人を歯軋りしながら見つめる。木戸もまたきぬと同僚という枠を越え、男女の感情を内に秘めつつ仕事を共にしている微妙な関係だった。ところがそんな時、きぬは『マミー・ブルー』の三兄弟に襲われ、一緒にいた吾郎はその三兄弟の一人を射殺してしまう。そして、自らその罪を被ったきぬは停職処分を受け、行方をくらましてしまう。数カ月後、妊婦となってひょっこりと木戸と束田の前に姿を現わしたきぬはついに吾郎と対決する。妊婦姿のきぬに本性を表わし、エレベーターの中で彼女を襲う吾郎。そして死闘の末、きぬは吾郎に向かって拳銃の引き金を引き、吾郎は散って行った。それからさらに数カ月後、男の子を出産したきぬは、子供を抱えながら街道の人ゴミの中に消えて行くのだった。

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