どっこい生きてる 1951-07-07

公開:1951-07-07    old
 

解説

 歌舞伎劇団である劇団前進座が、一口50円の出資を募り、新星映画と協同で製作した作品。今井正が岩佐氏寿、平田兼三とともに執筆した脚本を監督。前進座の創立メンバーである河原崎長十郎と中村翫右衛門が主役を務めた。
 日雇い労働で妻と二人の子供を養う毛利修三は、今日もドヤ街にある職安に通っていた。地主から家を取り壊すと聞かされた修三は、家族を実家に帰す。修三は木賃宿に寝泊まりしてその日暮らしを続けていたが、町工場で旋盤工として雇われることになった。仲間たちのカンパで給料日までの食費を手に入れた修三だったが、酒に酔って寝ている間に金を盗まれてしまう。知り合いの薦めで違法な仕事を手伝い逮捕された修三は、留置場で家族と再会する。

あらすじ

毛利修三は自由労働者で僅かな稼ぎでようやく妻と子供二人を養っていたが、、大家から立ち退きを迫られ、妻と子供を田舎へかえし自分は木賃宿で寝泊まりすることにした。しかしようやくある町工場で旋盤工に雇われることに話がきまり、給料日までの食いしのぎの金は、親切な秋山婆さんが、戦災者寮の連中から集めてくれたが、その夜同宿の花村からすすめられた酒に寄って寝た間に誰かに盗まれてしまった。おまけに給料の前借りを頼んだことから、町工場の口もふいになった。途方にくれて、つい花村にすすめられ、鉛管切り取りの手伝いをして留置場にほうり込まれ、そこで田舎から無賃乗車で東京へ出て来ようとして留置されていた妻子と一緒になった。一緒に釈放されたが、どうする当てもなく、花村から貰った僅かな分け前を持って一日遊園地へ遊びに行き一家心中を計ろうとしたが、子供の雄一が池へはまって溺れようとしたとき毛利はやはりとび込んでこれを救わずにはいられなかった。やっぱり生命は貴いものだった。その翌日から毛利の悲壮な決意を持った顔が、再び職安の窓口へ現れるようになった。

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