解説
1928年製作のアメリカ映画「紐育の波止場」の設定を日本に置き換え、北村小松が脚色したラブストーリーを島津保次郎が監督した。島津にとっては初のトーキー作品。主人公の「港の女」を、水谷八重子(初代)が演じた。
火夫(釜に石炭をくべる船員)の坂田は、港に上陸した夜、船着き場で身を投げようとする女を助ける。彼女は「ブルジョアの政」というヤクザに売られそうになり、自暴自棄になって死を選ぼうとしていた。女は坂田の誠実さに惹かれるが、坂田はバーで政と諍いを起こし、誤って相手を死なせてしまう。ようやく女のもとへ戻ってきた坂田だったが、警察が彼を逮捕するためにやってきた。