アナザヘヴン 2000-05-13
解説
同じ世界を共有し、時に登場人物や場面を交錯させながら、それぞれが別々の物語を紡いで行くと言う、映画とTVドラマで同じ企画を進行させるメディアミックス戦略を一歩前進させた“メディア・コンプレックス”と言うユニークな企画で展開された、飯田穣治の原作・脚本・監督によるサイコスリラー風のSFホラー。とあるアパートで死体の脳みそでシチューが作られると言う猟奇殺人事件が発生。やがて同様の事件が連続して起こる中、主人公の早瀬マナブは事件を捜査するうち、犯人が人間ではないのでは? と考え始める。
あらすじ
脳みそが抜き取られ料理されるという、猟奇連続殺人事件が発生した。遺体や現場の状況から検屍官の赤城によって、犯人は体重100キロ、握力150キロ以上、しかも料理が得意な人物と目された。事件を担当した捜査一課の早瀬刑事は、犯人像とは似ても似つかないと反対する飛鷹警部の意見を押し切り、事件の3日前に美術館に出かけたまま行方不明になっていた女子大生・柏木千鶴を容疑者として捜索を開始。だが、彼女もまた脳みそがない状態の死体で発見されるのだった。しかし、事件はそれで解決した訳ではなかった。その後、同じような事件が若い会社員・木村敦や警察病院の医師・笹本美奈によって引き起こされる。早瀬は、以前担当した事件の犯人だったキャバクラ嬢の朝子に、真犯人は人間ではない何かだと助言を受けるが、彼女もまたその何かに体を乗っ取られてしまう。そして、その何かとは「悪意」だった。退屈な天国に飽きた悪意は、その姿を水に変えて地上の人々に乗り移り、殺人を繰り返していたのだ。朝子を悪意から助けようとする早瀬。一方、悪意はそんな彼の体に乗り移ろうとする。しかし、飛鷹の咄嗟の機転で液体の悪意にベンジンをかけ、燃やしてしまうのだった。こうして、悪意との戦いに勝った早瀬たち。そんな彼らの上に、雨が降り注ぐのであった……。