TOKYO EYES
解説
フランス人監督ジャン=ピエール・リモザンが、渋谷や下北沢を中心とした“東京”を舞台に日本人俳優を使って撮り上げた作品。発砲事件が続く中、美容院で働く少女ヒナノ(吉川ひなの)は謎の男K(武田真治)と出会う。AV機器に囲まれた生活をしているKは、仮想世界と現実の区別がつかなくなったまま改造拳銃をTVゲームの感覚で撃っていたのだ……。ほかにヤクザ役でビートたけしが出演。
あらすじ
東京。分厚い眼鏡を目印に薮睨みとあだ名される謎の青年による無差別な拳銃による恐喝事件が続発。下北沢。美容院でバイトするHinano(吉川ひなの)は刑事の兄Roy(杉本哲太)とふたり暮らし。ある晩、HinanoはRoyが持ち帰った事件の書類で薮睨みの犯人の似顔絵を見て興味を持つが、その矢先、電車で偶然、その似顔絵とよく似た青年K(武田真治)を見かけ、後をつける。翌日、ビデオカメラを持って青年のアパートを訪れたHinanoはKに見つかってしまう。ゲームのプログラマーをしているというKはレコードで満杯の部屋に住んでいて、Hinanoに親しげに身を寄せてくる。その後外出したKはHinanoの目の前で、ビデオ屋の店員(モロ師岡)、イラン人にからむバス運転手(大杉漣)などに次々に銃を向けていく。街に再び薮睨みの記事があふれた。不安にかられるHinanoに、Kは銃には仕掛けがしてあり標的は外している、分厚い眼鏡は多くを見ないようにするためだと語り、薮睨みとはもう縁を切ると語る。ふたりに理解が芽生えかけた矢先、Kの元にヤクザ(ビートたけし)が訪れ、貸していた銃を返せと言い、照準の狂った銃を弄ぶうち、ヤクザはKの腹を撃ってしまう。ヤクザは逃げ出す。KはやってきたHinanoと外に出るが、ずっと腹を押さえたままだ。一番高いビルの屋上で会おうとKは言い、ふたりは別れるが、ビルにKは来なかった。ヤクザは銃を工事現場に流し込まれたコンクリートの中に捨てた。Hinanoは街を歩き続ける。