野獣ども地獄へ行け 1970-01-01
解説
大金を巡って殺し合いをする男女を描くバイオレンス・サスペンス。アメリカの船から100万ドルを奪ってイタリアの町のホテルに潜む男女。彼らは高飛びするために、ある島に渡ろうとするが、殺したはずの仲間が現われる。三人は島へ渡るが、ホテルの主人が大金を横取りしようと、妹とともに彼らを追う。だが、島の別荘では狂った老貴婦人と残虐な執事も大金の臭いを嗅ぎつけ、彼らが入り乱れて強奪戦が繰り広げられる……。
あらすじ
イタリアの小さな港町にコスチス(イボール・サルター)という男が情婦ダーリン(ジェーン・マンスフィールド)をつれてやって来た。彼は数時間前、豪華客船から現金100万ドルを奪った強盗で、金を1人じめするため、すでに相棒のコーベット(キャメロン・ミッチェル)を殺していた。鋭い嗅覚でコスチスの正体を見破ったのは、ホテルのマネージャー、リビオだった。彼はコスチスが高飛びするために用意したボートに妹のサンドラを忍びこませ、100万ドルを横取りする計画を立てた。コスチスとダーリンがボートに乗りこんだ時、サンドラを縛りあげ、血だらけの顔でピストルを持って彼らをむかえたのは、殺されたはずのコーベットだった。絶壁の上から海中に蹴落されたのだが、九死に一生を得たのだった。ピストルを持つコーベットを指揮者に一味はトラミロス島についた。リビオも後からやって来た。全部が全部、100万ドルのためには人殺しも平気でする野獣どもだった。コーベットはコスチスから奪った金をピアノの中へ隠した。異様な雰囲気の中で、コスチス、リビオが何者かに殺された。その直後、コーベットがピアノの中を調べてみると、金はなくなっていた。家中を探しまわる彼のそばにやって来たサンドラが、突然、愛の告白をした。あまりに不自然だった。コーベットが、いきなりサンドラの衣服を引き裂くと、彼女の下着には、100万ドルの紙幣がぎっしりと縫いつけられていた。抱きつくふりをしてピストルを奪ったサンドラと、それを追うコーベット。2人は絶壁のふちまできてしまい、足をふみはずして海中へ落下。サンドラの下着から、100万ドルの紙幣だけが、花びらのように空中に舞った。それを見ていたダーリンは、手をさしのべて、海へ入っていった。彼女もまた、紙幣以外、何物も目に入らないようだった。