俺たちの荒野 1969-06-28

公開:1969-06-28/製作:1969年    old
 

解説

 中井正の原案を重森孝子がシナリオ化し出目昌伸が監督。東宝青春映画の中でも異色の作品となった。
 集団就職で上京してきた哲也と純。哲也は昼の米軍基地と夜のバーを掛け持ちして働き、ホステスのサチと同棲していた。純は自動車工場で働き、基地の横にある空き地に城を建てることを夢見ている。純はある日、両親のいない由希と空き地で出会った。二人はお互いの夢を語り合い打ち解けた。二人はお互いに惹かれ合うのだが、内気な純は想いを伝えることができない。そんな純の気持ちを伝えるために哲也が由希の家を訪ねるが、哲也も彼女に心を奪われてしまった。哲也の様子に気づいたサチは純に愛を求め、哲也は結果的に由希を純から奪ってしまうことに…。

あらすじ

哲也と純は、集団就職で上京して以来の親友。野放図な哲也は渡米を夢みて稼ぐのに必死。バーのホステスのサチと同棲しながら昼は米軍基地に、夜はバーテンにと精力的に働いていた。一方自動車工場に働く純は、基地のわきにある小さな荒地に、自分の城を建てるんだという純朴な青年である。ある日、純はその荒地で由希と知り合った。両親のいない由希にとってもこの広場は、夢の城だった由希と純は広場ではしゃぎ夢を語りあった。そして哲也と共に三人でこの土地を手に入れようと約束した。やがて、純は由希に愛を感じ、由希もそれを受け入れようとした。だが純は愛を表現する術を知らなかった。哲也は、純の悩みを知って由希の家に乗込んだ。由希はかいがいしく甥の世話をしていた。その時から、哲也は彼女に郷愁に似た感情をいだくようになった。一方、哲也の素振りの変化に気づいたサチは、ヤクザを使って由希の体をうばおうとした。しかし、それは二人の間を深めさせたのみだった。哲也を忘れられないサチは、純に愛のはけ口を求めた。哲也は純から由希を奪ったうしろめたさと、純とサチの仲を知った気まずさから基地の中にこもってしまった。由希は土地代にするためのお金をもって、哲也を迎えに行った。やがて、陽光が、土地の匂いが三人を包む時が来た。だがその喜びも束の間、純が高圧線の中継塔から飛び降りて死んだ。荒地に一人佇ずむ哲也。彼の手から粉々になった純の骨が、花粉のように散っていった。

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