潜水服は蝶の夢を見る 2008-02-09

公開:2008-02-09/製作:2007年    old
フランス,アメリカ
 

解説

ファッション誌「エル」の編集長として活躍する人生から一転、脳梗塞(こうそく)で左目のまぶた以外の自由が効かなくなってしまった男の実話を映画化。原作は主人公のジャン=ドミニック・ボビー自身が20万回のまばたきでつづった自伝小説。『夜になるまえに』のジュリアン・シュナーベルが監督を務めている。主人公を演じるのは『ミュンヘン』のマチュー・アマルリック。シリアスな展開の中に温かいユーモアが味わえる一方、独特の映像美も堪能できる感動の実話だ。

あらすじ

病室で意識を取り戻したジャン=ドミニク・ボビー、通称ジャン=ドー(マチュー・アマルリック)は、自分が倒れ、昏睡から目覚めたのだと理解する。しかし自分の言葉が誰にも伝わらず、身体がまったく動かないことに気づく。主治医は、全身が麻痺する「ロックドインシンドローム」であると告げる。唯一動くのは左目だけだった。かつての彼は「ELLE」誌の編集者として華やかな世界で働き、女性関係も忙しく、3人の子供にも恵まれていた。ジャン=ドーは、そのころとは掛け離れた現実を、潜水服に閉じ込められたように感じた。言語療法士のアンリエット(マリー=ジョゼ・クローズ)は、左目を使ったコミュニケーションの手段を発明する。「はい」なら1回、「いいえ」なら2回瞬きをするというものだ。使用頻度の高い順に並べられたアルファベットを読み上げていき、ジャン=ドーが左目で合図する。そうして文章を作ることで、蝶が自由に舞うように、記憶と想像力で自分もどこへでも行けると気づいたジャン=ドーは、生きる気力を取り戻す。ある日、編集者のクロード(アンヌ・コンシニ)が彼を訪ねる。ジャン=ドーは倒れる前に、本を執筆する契約を結んでいた。クロードは日々、ジャン=ドーが左目の瞬きで綴る文章を記録していく。それは彼の半生であり、父の記憶や、恋人ジョゼフィーヌと行ったルルドの記憶だった。ジャン=ドーが過去を旅する間も、父が誕生日に祝いの電話を掛けてくれたり、3人の子供とその母セリーヌ(エマニュエル・セニエ)が病室を訪ねて来たりした。ジャン=ドーは改めて周囲の人々に感謝の気持ちを抱き、その思いも本に綴る。理学療法士マリー(オラツ・ロペス・ヘルメンディア)とのリハビリで首や舌も動かせるようになり、父の日には家族で海に遊びに行くことができた。ジャン=ドーは快復の希望を胸に、執筆を続けるのだった……。

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