パイルドライバー 2007-01-13
解説
ひょんなことから“ヤクザの養成学校”に入学するハメになった青年が、恋を通して成長していく青春コメディ。巻き込まれ型の気弱な主人公を、『ウォーターズ』の松尾敏伸が好演。共演にはお笑い芸人であり、構成作家としても活躍する板尾創路のほか、大人計画の村杉蝉之介など、クセのある芸達者たちが脇を固める。ヤクザの養成学校という奇抜なアイデアや、ヒップホップやタンゴ、ジャズに乗せて歌い踊るミュージカル風演出が異彩を放つ。
あらすじ
何をやってもダメな青年ソーイチ(松尾敏伸)はある日、絡まれたチンピラに渋谷センター街の入り口でパイルドライバーをされていた。逆さ吊り状態のソーイチは、視界に入ったとある女のコ(鈴木美生)に一目で恋に落ちる。しかし、自分はあまりに情けない…。心身共にズタボロになった彼はそんな自分におさらばすべく、謎のウサギ男に誘われるがままに「人生のスペシャリスト養成学校」を受験する。“42(死に)”番をあてがわれたソーイチをはじめ、入学希望者たちはみな借金を抱えた貧乏人ばかり。一発逆転を狙った彼らは、すぐさま奈落の底に落とされる。なぜならそこはヤクザの親分(板尾創路)が校長となり、ニュービジネスとして開校した幹部養成学校。1次試験に落ちた者は100万円のゼッケン使用料を請求され、2次試験に進む者は追加受験料の100万円を請求される。もちろんそんなお金を持っていないソーイチは、その日から特別講習という名の下に、下っ端やくざとしてこき使われるのだった。逃げ出そうにも、1次試験合格祝いとして首にはめてもらったチョーカーには、リモコン式の爆弾が埋め込まれている。ソーイチとセイジ、デイブ、リーの4人は、公園のビニールハウスに暮らす元ヤクザでアル中の教官鬼ハム(麿赤兒)に、ヤクザのイロハをたたき込まれる。それをこなすうちに4人はお互いにそれぞれが抱えている過去や動機を知るようになり、ソーイチは鬼ハムに「ハッタリでもいいから自信を持て!」と個人的に指導を受けるが……。