月の砂漠 2003-09-06

公開:2003-09-06/製作:2001年    old
日本
 

解説

 学生時代の仲間とインターネット企業“ソフトリアル”を立ち上げた永井恭二は、その後時代の波に乗って業績を急速に伸ばし、ベンチャー企業としては日本で初めて海外の株式市場に上場するまでに成功を収める。マスコミにもしばしば登場し、カリスマ青年実業家としてもてはやされる永井だったが、一方で、愛する妻と一人娘はそんな仕事中心の永井に愛想を尽かして家を出ていってしまう。深い喪失感を抱えていた永井はある晩、道端に寝転がっていた男娼のキーナと出会う。永井はキーナに“妻と娘を捜し出し、妻を誘惑してくれ”と奇妙な依頼をする。

あらすじ

学生時代にインターネット企業を興して、ベンチャー企業として日本初の株式海外市場=シンガポール市場上場を達成した男・永井恭二(三上博史)には、「家=house」はあっても「家庭=home」はない。IT ビジネス界の寵児となった永井は、美しい妻アキラ(とよた真帆)と愛らしい娘カアイ(碇由貴子)とともに豪華な邸宅に住み、高級外車を乗り回していた。経済人、そして家庭人としても「成功者=勝ち組」の人生が、永井には約束されていたはずだった…。しかし、グローバル市場に打って出た時、成功の轍は軌道を外し始めた。テレビの経済番組にゲストとして出演した永井は、こう語る。「欲しいと思ったものを手に入れると、その欲しかったものは消えてなくなる。後に残るのは妄想だけ」。その番組を見ていた男娼のキーチ(柏原収史)は、その晩道端に寝転んでいたところを、偶然にも永井に拾われる。「あんたの言ってた“欲しかったもの”って、家族のこと?」。と訪ねるキーチに、永井は応える代わりにこう頼んだ。「妻と娘を探してくれ。見つけたら、女房を誘惑して寝てくれ」。実は永井は妻子に逃げられ、ふたりの写真やビデオといった虚像しか、永井の傍らには残されていないのだった。その頃、アキラとカアイは都内のホテルに滞在していた。キーチはアキラを見つけ出し、誘惑するもあっさりと永井に雇われたことを告白する。しかし動じないアキラは、カアイを連れて誰もいない実家に戻り、母娘ふたりきりで暮らすことを決意していた。その週末、ふとオフィスに出社した永井は、学生時代からの盟友である市山(生瀬勝久)と榊(ピエール瀧)から、「お前は変わった」と激しくなじられる。上場は失敗だったという意見のふたりは、現在取り組んでいるプロジェクトを最後に退社する、と永井に告げる。「やり直そう」と激昂する永井に、次回の取締役会が最後だと言い残し、市山と榊は部屋を後にする。社会的地位も家族も、なにもかも失い呆然とする永井は、キーチのもとを訪れる。そこへキーチの仲間のツヨシ(細山田隆人)が拳銃を持って現れ、「これから父親を殺しに行く」と言い放つのだった……

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