家族輪舞曲 1989-11-11
公開:1989-11-11/製作:1989年
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解説
作家の椎名桜子が自身の同名小説を脚色し、初めてメガホンをとった監督デビュー作。複雑な家庭環境に揺れ動く女子高生が自分の居場所を見つける過程を描く。楢原尊信が共同脚本、大貫妙子が音楽を担当。
翠子と雛子の姉妹は母親のマンションに暮らしていた。両親は数年前に離婚しており、父親には複数の愛人がいた。よく眠れず散歩に出かけた翠子は、修司という少年と出会い心惹かれる。父親から旅行に誘われた翠子だったが、旅先には父親の新しい恋人と、かつての愛人との間に生まれた男の子が待っていた…。
あらすじ
翠子は市立高校に通う17歳。両親は数年前に離婚し、現在は妹の雛子と共にママのマンションに住んでいた。会社の経営者として忙しく世界を飛び回っているパパには、これまでにも亜沙子や美加という多くの恋人がいた。翠子はその女性たちと何度か会っていたが、なんとなく惹かれるものがあった。時々翠子は家族四人で暮らしていたことを思い出し、センチメンタルな気分になったが、本当はそういう気分は嫌いだった。不眠症のママはよく書斎で明け方まで本を読んでいたが、そんな時に翠子や雛子が顔を出すといつも「邪魔しないで」と叱られたのだった。翠子はよく眠れなかった朝、街へ散歩に出かけたが、ある日修司という少年と出逢い、お互いに惹かれるものがあった。8月の終わり、翠子はパパに旅行へ誘われたが、行き先には新しい恋人の良恵と、パパと美加との間に産まれた義弟の俊一がいた。翠子は15歳の時、パパのベッドの中を心地よく感じたことを思い出した。その時はパパが早く帰ってくることがわかっていながら男の子を連れ込み、二人でパパのベッドにいたのだった。そして今、翠子は再びパパのベッドしか自分の居るべき場所がないことを悟ったのだった。