さまよう獣 2013-02-02
公開:2013-02-02/製作:2012年
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解説
第11回東京フィルメックス最優秀作品賞に輝いた『ふゆの獣』や『おだやかな日常』が注目を浴びた内田伸輝によるヒューマン・ドラマ。とある村を訪れたいわくありげな女と彼女に翻弄(ほんろう)される男たちの姿を通して、愛や幸福の本質を見つめていく。『電人ザボーガー』の山崎真実が、図らずも男たちに恋の勘違いをさせてしまうヒロインをキュートに演じる。『イエローキッド』の波岡一喜、『Playback』の渋川清彦といった個性派、実力派の共演に加え、光と風と緑のきらめきをとらえた美しい映像も見どころだ。
あらすじ
豊かな自然に恵まれた田舎の村。ある日突然、都会からやってきて、田舎のバス停に降り立ったキヨミ(山崎真実)は、老女キヌ(森康子)に拾われる。過去を語ろうとしないキヨミは、孫同然のマサル(波岡一喜)と3人で囲む食卓で、どう振舞えばいいのか分からない。作家を夢見ながらも、牛の世話をしているシンジ(山岸門人)には“気持ちが楽になります”、一生トマトの栽培だけで終わるかもしれないタツヤ(渋川清彦)には“元気になる”と言って、その気もないのに男たちを喜ばせてしまう。身も心もはちきれんばかりの男たち。開け放した風呂場の窓から彼女の下着姿を見てしまったマサルはドギマギするしかない。穏やかだった村は動揺し始めるが、日々の食卓は続く。そんな折、キヌが倒れ、キヨミを追って男が乗り込んでくる……。