1953-09-15

公開:1953-09-15    old
 

解説


 森鴎外の同名原作を成沢昌茂が脚色し豊田四郎が監督した文芸作品。1966年には池広一夫監督・若尾文子主演でリメイクされた。
 明治時代の東京、下町の長屋に住む善吉とお玉の父娘は、飴細工を売りながら貧しい生活を送っていた。お玉は知人の紹介で呉服商の末造の妻となり、本郷の無縁坂にある家に住まわせてもらっていた。しかし末造の本当の職業は高利貸しであり、しかも妻も子もある身だった。妾として家に囲われたお玉だったが、生活が楽になった父の姿を見ると、末造と別れることができなかった。ある日、無縁坂を散歩する医科大学生たちを見かけたお玉は、その中の岡田という学生に恋をしてしまう。お玉は末造の留守を狙って岡田に声をかけようとするのだが…。

あらすじ

女子大生水沢麗子と時田喜美子は恵まれた家庭にありながら、社会人としての実力を養うと称し、家族には内緒でアルバイトサロンに働いていた。ある時、誘い合った他の友達が都合が悪く、喜美子は麗子の兄信夫と二人きりでスキーに出かけ、吹雪に襲われて危く山の人達に助けられたが、親達は共に二人が誤ちを犯したものだと思いこんでしまう。麗子の父は社員と一緒にサロンへ行き、娘の姿を見て驚く。流石に沈みこんだ麗子は、客の河村に誘われて熱海に一泊する。勿論サッサと別室を取って泊ったのだが、喜美子の家に泊ったことにして両親にわびた。そのころ麗子は客の雨宮に心を惹かれたが、一緒に働く若い娘たちの身にも色々と変化が現われた。ふみ子は苦学に疲れ、故郷に帰って親の言付け通り結婚することになった。麗子の両親は熱海のことを知って娘を責める。そして娘の潔白を信じようとしないので、疑われる苦しさの余り、彼女は家出して雨宮の許に走った。ところが力と頼む彼は、やがて密輸の犯人と判って検挙された。傷心の麗子は喜美子に伴われて信州の牧場にふみ子を訪れ、その幸福な夫婦生活に心をうたれた。そして麗子は東京へ帰ると、酒場のマダム真理子という情婦まである雨宮こそ、純粋な心で自分を愛していることを悟り、彼が出獄するまでふみ子の牧場で働くことにした。父母の激しい反対も、麗子の堅い決心は動かせなかった。

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