街の小天狗 1952-12-04
公開:1952-12-04
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あらすじ
警視庁刑事松田由彦は学校時代の柔道友だち、今は同僚でもある木本修一にその母清野を加えた三人水入らずの暮らしを営んでいた。清野を媒ちとして彼は病院の看護婦雅子と知り合ったが、ある夜彼女の病父吉隆が苦悶の発作に襲われた。原因はストレプトマイシンの偽薬であった。ようやく命は取止めたものの離床不可能となった吉隆の願いで由彦は父一人娘一人の寂しい雅子の家に引き移った。俄かに明るくなる家の中。--当然、若い二人の間には愛が芽くんだ。そんなある日、由彦が職務で立ち寄った交番の前に、突然一台の高級車が停まり、豪奢な装いの女が降り立った。旧知の田辺公子である。今は囲われの我が身を告げる彼女にはどこか暗い影があったが、果然、数日後かけてきた電話で彼女が偽薬事件の渦中にいることが知れた。会いにいった由彦に公子は愛を告白し、そのまま何処よりとも知れぬ凶弾に倒れた。一方、事件の容疑者郷三郎を追う修一も、郷の罠にかかって帰らぬ人となった。眦りを決して郷を追跡する由彦--やがて犬吠崎上に相手をとらえた彼は、飛沫を浴びて激闘数刻、ついに力尽きた郷を検挙した。世を騒がせた偽薬事件も終わりを告げ、殊勲の由彦は疲れた躯を雅子の笑顔の許へと運ぶのだった。