婚期 1961-01-14
解説
水木洋子のオリジナル脚本を吉村公三郎が監督し映画化。撮影は宮川一夫が担当した。主演の女優たちが、見事なコメディエンヌぶりを発揮。
波子と鳩子は、兄の卓夫が父から事業を継いだ実家に暮らしていた。二人は兄嫁の静を快く思っていなかったので、いたずらの手紙を出すことにした。内容は卓夫が愛人とその子供を隠れて世話しているというもの。あやしげな電話もかけるのだが、まったく相手にされない。波子は静の紹介でお見合いをするが、相手がすっかり禿げ上がった中年の歯科医師だったため激怒。鳩子と家を出ると言い出す。また静も、卓夫をガス中毒で殺そうとしたと疑われ、家を出ることにするのだった。
あらすじ
唐沢卓夫は春山荘を経営する事業家だが、家の中が面白くないので妾をかこっている。仕事には敏腕だが金にはきたないエゴイストである。妻の静は、卓夫の妹の波子に鳩子、弟の典二郎をかかえ、封建的な生活に自分一人がたえ忍んでいるような顔をしているが、実は心の奥では何を考えているのか分らないポーカーフェイス。ある日、静の許に一通の手紙が舞いこんだ。卓夫が妾をかこっており、子供もいるというのである。その後、あやしげな電話もかかってくる。実は、これは波子と鳩子のいたずらで、静に火をつけようというコンタンであった。波子はいまやオールドミス、鳩子は新劇女優で、二人は共同戦線をはって兄嫁いびりがひどい。静の世話でお見合した相手が、どうしたまちがいからか、すっぽりハゲ上った中年の歯科医師だったことから、波子の怒りが爆発、鳩子と家を出ると言いだした。婆やが孫の雛子にひきとられることになった。波子と鳩子が嫁ぐまでと思っていた静だったが、卓夫が危うくガス中毒しそうになったのを、殺人未遂だといわれて遂に家出してしまった。静は友人玉枝の家で三日三晩眠り通した。卓夫が迎えにきた。波子と鶴子がアパートへ行くから帰れという。静もどうやらその気になったようで、二人は肩を並べて散歩に出かけた。玉枝が妙な顔で見つめていた。