カケラ 2010-04-03
解説
満たされない恋愛をしている女子大生が、メディカルアーティストの女の子と出会い、友情以上恋愛未満の微妙な関係になる過程を描くオフビートなガールズ・ムービー。奥田瑛二の長女で、弱冠26歳の安藤モモ子が脚本と監督を手掛け、大人の女性へ成長する今どきの女の子の心情を映す。主演は『愛のむきだし』の満島ひかり。人間の不完全さを肯定して人としてどうあるべきかを独特のガーリーな世界観で紡ぐ、安藤監督のセンスが光る一作。
あらすじ
これといって夢も目標もなく、なんとなく毎日を過ごすごく普通の大学生、ハル(満島ひかり)。恋人の了太とは心が通わず、どこか満たされない。いつも何かが欠けているような気分に陥っていたとき、カフェで見知らぬ女の子に声をかけられる。“素敵だなと思う人とすれ違うことってない?”と語りかける彼女の名前はリコ(中村映里子)。“気が向いたら電話してね”と電話番号を渡されて呆然とするハルだったが、どことなくミステリアスな雰囲気の彼女のことが気になりだす。リコの職業はメディカルアーティスト。病気や事故で身体の一部をなくした人たちの精巧なパーツを作っていた。ハルからの電話を受け、リコは大喜びで仕事を切り上げてハルをデートに連れ出す。“ホントに女の子が好きなの?” と恐る恐る尋ねるハルに、リコは答える。“私はハルちゃんだから好きなんだよ。男も女もヒトでしょ。男だ、女だって思うから苦しくなるの”。リコとの時間に安らぎを感じる一方で、了太との関係に疑問を感じてゆくハル。やがて、了太との関係をズルズル続けていたハルは、苛立ったリコと大喧嘩になってしまう。自分の気持ちのやり場を失ったハルは、了太に“会ってセックスするだけ。恋人って何?付き合うって何?”とぶちまけ、“好きな人ができた”と宣言してしまう。とはいえ、まだリコのことを愛しているとは言えないまま。近づいては遠のき、微妙に揺れ動くハルとリコの関係は一体どうなるのか……?