エロチック乱歩 屋根裏の散歩者 2007-07-07
解説
江戸川乱歩の同名短編を、現代に翻案して映画化した官能サスペンス。主演は嘉門洋子と窪塚俊介。監督は「村の写真集」の三原光尋。編集者の富岡奈緒子は、おどろおどろしい作風でカルト的人気を得ている今は亡き画家・郷田三郎の特集記事の取材で、彼が生前に身を寄せていた東栄館を訪れた。やがて、郷田が屋根裏が大好きだったという情報を聞きつけた奈緒子は、懐中電灯を手に屋根裏へ上がる。図らずも自分が“散歩者”となった奈緒子は、屋根裏から住人たちの知られざる世界を目の当たりにしてしまうのだが…。
あらすじ
女性記者・富岡奈緒子(嘉門洋子)は、異端の画家・郷田三郎の取材として、郷田が生前暮らしていた東栄館を訪れる。おどろおどろしい世界を描いた郷田の作品群が室内を飾り、不気味な雰囲気を醸し出す館。郷田ファンの奈緒子は、夢中で取材を行うが、その夜、悪夢にうなされる。翌朝、奈緒子の体には、蝋の跡が残っていた。不審に思いながらも、奈緒子は、館の住人達に生前の郷田について尋ねる。ところが療養中の青年・優介(窪塚俊介)は、郷田を精神病だと言い放ち、深入りしないようにと奈緒子に苦言を呈す。納得のいかない奈緒子だったが、マドカという少女から、郷田が屋根裏を好んでいたと聞かされると、自らも屋根裏へ上っていく。天井から覗く館の住人達の隠された姿に、奈緒子は目を見はらずにはいられなかった。そして、奈緒子は館の一番奥の部屋に、縄で椅子に縛りつけられている女性を発見する。いったんは引き返した奈緒子だが、ドアに鍵がかかっていることにも興味をそそられ、遂に天井裏からその部屋へ足を踏み入れる。縛られた瀕死の女性の姿は、郷田の絵を連想させた。夢中でカメラに収める奈緒子だったが、その時、部屋の外に物音を聞き、慌てて押入れに隠れる。ドアを開けて入ってきたのは、手にナイフを持った白塗りの顔をしたピエロだった。ピエロは笑いながら、ナイフを振り上げる。そして、目を覆わんばかりの光景が繰り広げられる。