彼のオートバイ、彼女の島 1986-04-26
解説
片岡義男の同名小説を、関本郁夫が脚色し大林宣彦が監督した青春映画。主演の竹内力、原田貴和子ともに、この映画がデビュー作となる。
音楽大学に通う橋本巧(コオ)は、アルバイトでプレスライダーをしている。恋人である冬美とうまくいっていないコオは、バイクでひとり旅に出た先で、白石美代子(ミーヨ)と出会う。東京に戻ったコオは冬美と別れ、ミーヨと文通をしていた。夏になるとミーヨのいる瀬戸内に出かけ、秋にはミーヨが東京へやってきた。バイクに興味を持っていたミーヨはコオのバイクに乗るようになり、大型免許を取りたいと言い出した。周囲の心配をよそにミーヨは、コオの750CCバイクに乗り姿を消してしまう。
あらすじ
橋本巧は、音楽大学に通うかたわら、プレスライダーのアルバイトをしている。ある日、彼の前に妹、冬美とのただならぬ仲の責任をとれと、先輩ライダー、沢田が詰めよってきた。巧は心の整理をつけるため、オートバイで信州にひとり旅にでる。冬美との出来事を回想する彼の前に、不思議な透明感を漂わせる女性か現われた。オートバイに興味を示したその女性、ミーヨこと白石美代子と、巧はひなびた温泉で再会する。東京に戻った巧は、沢田からの決闘の申し込みを受け、勝負に勝つ。だが、数日後、冬美に別れを告げた。従順で泣いてばかりいる、人形のような彼女に物足りなさを覚えていたのだ。ミーヨと文通を続けながら、巧の心の中にミーヨが入って来た。夏が訪れ、巧はミーヨの故郷である瀬戸内の島へ出かけた。二人の絆は、より確かなものとなっていく。秋になり、ミーヨが東京に出てきた。巧はミーヨと連れだった、行きつけのスナック・道草で、久しぶりに冬美と会った。道草の専属歌手としてステージで歌う彼女は、別人のように明るく、今は巧の友人、小川の恋人になっていた。ミーヨは巧のバイクに乗りはじめ、バイクの虜になっていく。そして、はやく大型バイクの免許をとりたいと巧にせがむのだった。だが、巧はミーヨのライディングを見た沢田の「バイクに乗ることにかけては天才だが、あのまま乗っていると彼女は死ぬ」との言葉に躊躇していた。ある雨の日、無断でミーヨが巧の750CCに乗ったため二人は喧嘩をした。数日後、ミーヨが巧のバイクと共に姿を消した。彼の知らない間に大型の免許をとったらしい。冬美が小川の子供を身篭った。それを知ったミーヨから、冬美に産着が届いた。「俺のバイクで、彼女の島に行け」と言う小川。巧はバイクに飛び乗った。そしてミーヨの島で、仲良くツーリングする二人の姿があった。