股旅三人やくざ 1965-05-22

公開:1965-05-22/製作:1965年    old
 

解説

 仲代達矢、松方弘樹、中村錦之助の三大スターを迎えて製作されたオムニバス形式の時代劇。脚本は第一話を「赤い手裏剣」の野上竜雄、第二話を「顔役」の笠原和夫、第三話を「色ごと師春団治」の中島貞夫が担当し、全三話を「いれずみ判官」の沢島忠がすべて監督している。
 「秋の章」――片目のやくざを斬った千太郎は、金兵衛親分から遊女おいねの見張りを頼まれる。おいねは一度だけ遊んだ伊之助という男が自分と所帯を持ちたがっていることを知り暴れたのだ。だが伊之助は、千太郎が斬った片目のやくざだった…。「冬の章」――父が賭博で身を崩したことからやくざになった源太は、老やくざの文造と茶屋に立ち寄る。死んだ母親を埋葬してきたという店の娘みよに対し、文造は父の親友だと名乗り金を渡そうとするのだが…。「春の章」――渡世人の久太郎は村長の三右衛門に頼まれ、代官所の役人である半兵衛を斬ろうとするが、剣の達人である半兵衛に軽くあしらわれてしまう。村人たちは別の渡世人である仙三に半兵衛殺害を依頼するのだが…。

あらすじ

〔第一話秋の章〕片目のやくざを叩き斬って貸元金兵衛親分の敷居を股いだ千太郎は、八州役人を斬って追われる兇状持ちであった。翌日から千太郎は、金兵衛の旅籠で遊女おいねの張り番を始めた。金兵衛は遊女おいねをさらおうとする猪之助、卯吉の兄弟を恐れ、千太郎の仁義を受けたのだ。おいねは、はかない遊女の生活から、女房として身請けしてくれるという猪之助を待っていた。千太郎は、ふとしたことから、その猪之助が片目だと知って愕然とした。自分が斬った男が猪之助だと知った千太郎は、おいねに自分を斬るよう長脇差を持たせた。ちょうどその時卯吉がとびこんで千太郎に斬りつけた。千太郎は古手拭いに血判を押すと、八州役人の番所へ届けるように言い、自分の首にかかった二十両で、おいねを請け出せと卯吉をうながした。そして金兵衛をおびき出した千太郎は金兵衛を斬って、御用提灯の中へとびこんだ。何も知らぬおいねは、卵吉の漕ぐ船で利根川を下っていった。 〔第二話冬の章〕老やくざ掛川の文造と、若いやくざ源太は峠の茶屋で酒を飲みながら身の上話を始めた。源太は父親が博奕に手を出して、首を吊ったことから田畑を失い村を追われてやくざになったという。文造はそんな源太に足を洗うよううながした。そこへ茶屋の娘みよが帰って来た。文造は自分はみよの父の親友だと名のったみよは、母の葬式を済ませたばかりだと語った。一瞬青ざめた文造は、いかさま博打で儲けた金を、みよに渡した。ふとしたはずみに腕の刺青を見たみよは、文造が父であることを知るが、みよは文造を許そうとせず文造は家を出た。この時迫っ手がやって来た。源太は文造を店の内へつきとばすと、長脇差を抜いて走った。跡を追う文造にみよが必死に抱きついた。 〔第三話春の章〕旅鴉久太郎は、ふと知り合った少年勘助の緑で、村長三右衛門に歓待され草鞋をぬいだ。その代償として悪代官所役人半兵衛を斬るよう頼まれた。久太郎は一宿一飯の義理を感じて渋々半兵衛と対決した。だが半兵衛の刀さばきは、久太郎のおよぶところではなかった。百姓は久太郎を罵倒した。そのころ美男やくざ仙三が村へやって来た。百姓から金をもらった仙三は半兵衛を追い、久太郎も助っ人を買って出たが、仙三は半兵衛から金をもらうとずらかってしまった。村は大騒ぎ、半兵衛は強気になるばかりであった。義理を感じた久太郎は、一念発気半兵衛に斬りかかった。この気迫におされて、悲鳴をあげて倒れた半兵衛は、勘助の仕かけた狸の罠に落ちたのだった。これで、村に漸く平和が訪れた。

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