裸のマハ 2002-05-03
解説
19世紀初頭のスペイン。時の王妃マリア・ルイーサが絶大な権力を手にしていたスペイン宮廷にあって、名家の出身で美人の誉れ高いアルバ公爵夫人もまた、社交界の華として、王妃に勝るとも劣らない権勢を誇っていた。奔放なアルバ公爵夫人は野心家の総理大臣マヌエル・デ・ゴドイの愛人であり、また当代随一の宮廷画家ゴヤとも特別な関係を結んでいた。そのゴドイは王妃を影で操る宮廷の最高実力者。アルバ公爵夫人以外にもペピータ・トゥドーというもう一人の愛人がいた。そんなある日、ゴドイは秘かにゴヤに対してある絵画の製作を依頼するのだった……。
あらすじ
1802年、スペイン。王妃マリア・ルイーサ(ステファニア・サンドレッリ)が絶大な権力を握っていたスペイン宮廷。王妃と対立するカイエターナ・アルバ公爵夫人(アイタナ・サンチェス・ギヨン)は、社交界の華として権勢を誇っていた。ある日、カイエターナの屋敷で宴が開かれ、翌日、彼女は急死を遂げる。寝室に駆けつけた宮廷画家フランシスコ・ゴヤ(ホルへ・ペルゴリア)は、彼女の水差しグラスに、猛毒が含んでいると言われる“ヴェネローゼ緑”の絵具が沈殿しているのを発見。彼女は、宰相マヌエル・デ・ゴドイ(ジョルディ・モリャ)の愛人で、ゴヤとも親密な関係を結んでいた。そのことにより、王妃の他にも、ゴドイが寵愛する愛人のペピータ(ペネロペ・クルス)、ゴドイの正妻・チンチョン伯爵夫人(マリア・アロンソ)らの愛憎が複雑に絡みあっていたのだった。その頃、ゴヤはゴドイの命令で、ペピータをモデルに世紀の名画<裸のマハ>を描く。しかし、完成した作品の顔はカイエターナであった。失意の底に沈んだペピータは、猛毒を含んだ絵具をカイエターナのグラスに注ぐが、ためらって水差しグラスに注ぎかえた。一方、ゴヤはカイエターナの宝石類をゴドイが引き取っているのを目にする。彼を咎めた時、チンチョン伯爵夫人の口から王妃が毒を盛っていたという話を聞く……。カイエターナの宝石を身につけた王妃とゴドイが、ベッドの上で笑いあうのだった。