ライブ・フレッシュ 1998-08-29
解説
スペイン映画界の鬼才P・アルモドバルによる、ミステリアスな愛の悲喜劇。1970年、フランコ独裁政権下のスペイン。ひとりの男児がバスの中で生まれ、ビクトルと名付けられた。20年後、ビクトルはイタリア領事の娘エレーナに恋をする。だが、マリファナ中毒の彼女は銃でビクトルを追い返そうとし、通り掛かりの刑事が事故で死ぬ。その罪で4年の刑に服したビクトルは、エレーナに対して奇想天外な復讐を実行する。
あらすじ
フランコ政権末期の1970年冬のマドリッドで、妊娠した娼婦が市バスの中で男の子を出産する。20年後、ビクトルと名付けられた赤ん坊は立派な若者(リベルト・ラバル)に成長した。意中の人エレナ(フランチェスカ・ネリ)の部屋に押し入ったビクトルは、銃声を聞いて駆けつけてきた警官サンチョ(ホセ・サンチョ)と揉み合ううちに、エレナを逃がそうとしたもうひとりの警官ダビド(ハビエル・バルデム)を撃ってしまう。2年後、下半身不随となったダビドは、エレナと結婚し、パラリンピックで活躍するバスケット選手になっていた。仲睦まじいふたりを見て服役中のビクトルは復讐を誓う。4年後、出所したビクトルはエレナが院長を務める孤児院を突き止め、ボランティアとして働き出す。一方、ビクトルはダビドの友人クララ(アンヘラ・モリーナ)と付き合うようになった。しかしクララは警官サンチョの愛妻で、以前ダビドとも深い関係にあった。そのことを知ったエレナはショックを受け、復讐する気がないことを告白したビクトルの気持ちにほだされて彼と愛の一夜を過ごす。自分たちの女をビクトルに奪われたサンチョとダビドは、決着をつけるためにビクトルの家へと向かう。銃弾に倒れるクララとサンチョ。96年、出産寸前のエレナはお腹の子の父親のビクトルに付き添われながら、ビクトルが生まれた70年のあの夜のように陣痛の声を上げるのだった。