白痴 1999-11-13
監督:
手塚眞
脚本:手塚眞
公開:1999-11-13/製作:1999年
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解説
黒澤明自身が敬愛するドストエフスキーの名作「白痴」を映画化した美しくも激しい愛憎劇。純真無垢な美しい亀田青年、彼を愛するふたりの女・綾子と妙子、そして妙子を野獣のように愛する無骨な男赤間。4人の間には、神々しいまでの愛と激しい憎悪が燃えあがる。原作に忠実であろうとするあまり、当初前後編4時間25分の長編として完成したが、難色を示した松竹側と黒澤監督が対立。切るならフィルムを縦に切ってしまえと、激怒した逸話は有名。結局現在観ることのできるのは大幅にカットされた166分バージョンのみである。
あらすじ
過去とも未来とも思える終末戦争下の日本。映画制作を志す伊沢(浅野忠信)は歪んだ長屋が並ぶ路地裏に間借りをしていた。テレビ局〈メディアステーション〉に勤務する伊沢は、粗暴なディレクターの落合(原田芳雄)と、視聴率70%を誇るカリスマ的アイドル銀河(橋本麗香)のサディスティックな仕打ちで、身も心も打ちのめされる毎日だった。そんなある日、伊沢の部屋の押し入れに、隣に住む木枯(草刈正雄)の妻、サヨ(甲田益也子)が潜んでいた。その夜から、サヨを押し入れにかくまう秘密の生活が始まる。戦争にも仕事にも疲れ果てた伊沢にとって、サヨの存在だけが救いだった。しかし、伊沢の住む路地の上空にも爆撃機が現れ、街は炎に包まれる。伊沢はサヨの手を取り、燃え盛る炎の中を駆け抜けてゆくのだが…。