修羅場の人間学 1993-11-13
解説
森田雅が執筆した『修羅場の人間学―安藤組・別働隊長のケンカ人生』をもとに、岡部耕太と掛札昌裕が脚色し梶間俊一メガホンをとった。ヤクザに憧れ安藤組に入った青年の姿をコミカルに描く。安藤昇が企画を担当。
大学生の朝田平吉は渋谷でヤクザと米兵の喧嘩に巻き込まれ、渋谷興業に入ることになった。頭と人の良さを買われた平吉はサロン“モンタナ”を任され、そこで働く岩崎純子と恋人に。武闘派として知られる花形敬が出所し“モンタナ”で暴れた。これに腹を立てた若頭の森島雅人は平吉たちに敬を脅すように命令。しかし計画は失敗し平吉は敬を思わず撃ってしまった。ホテルの乗っ取りを企む実業家に侮辱された渋谷興業社長の安藤昇は、ヒットマンを雇い実業家を怪我させるつもりが、重傷を負わせてしまう…。
あらすじ
昭和二八年の渋谷。米屋のバイトをしている元テンプラ学生の朝田平吉は、クラブの前で始まった安藤組の森島たちと米兵のケンカに興奮して森島に加勢するが、逆にボコボコにされてしまう。ホステスの純子に介抱された平吉は森島にに意気込みを買われ安藤組で働くことに。新聞記者となった旧友・山倉に忠告されるが彼は聞く耳を持たず、一本気な気質で組での地位も上がり、純子との恋も順調に進むが、組長の安藤昇には『少しは先を見ろよ』と諭される。平吉はある日対立する組の新人女優に手を出し袋叩きにあい、拉致されるが、単身乗り込んだ森島に救われる。また、出所した幹部の花形と森島に確執が起こり、花形の度重なる暴挙に平吉は反感を抱き彼に向かい発砲してしまう。花形は一命を取り留め、安藤が仲裁に入って事は収まった。時代は高度成長期に入る。借金の取り立てを頼まれた安藤は相手の実業家・村木との間のイザコザにより銃撃事件を起こすが、指名手配されたのは平吉だった。そんな事とは知らず、平吉は上京してきた母を安心させるため、純子と婚約していると芝居を打っていた。安藤に呼び出された平吉と純子は、犯人になりすまして二人で逃げるよう命じられ、平吉は安藤のためと張り切るが、山倉の密告により警察に捕まってしまう。尋問に対しても頑として応じない平吉だったが、安藤が捕まって釈放となる。警察署の入り口ですれ違う安藤を畏敬の念で見つめる平吉。数年後、彼は足を洗い純子と二人で喫茶店を経営するのだった。
