マグニチュード 明日への架け橋 1997-11-22
解説
阪神・淡路大震災を題材に、父と子の絆を描いた人間ドラマ。子どものときに起きた地震で母親を失い、消防士だった父の許から祖父母へ預けられた主人公は、父を憎みながらも、父と同じ消防士の道へと進んでいた。それから20年、故郷の島へ戻ってきた主人公は、いまは漁師をしている父と再会をはたすが、心のわだかまりは拭いきれない。そんな折、島を大地震が襲った。被災現場で再び顔を合わせた父子は、これまでの感情を忘れ協力して救助活動を行う……。
あらすじ
20年前の昭和51年に発生した大地震の際、消防署員だった父・辰雄の出動中に、幼い誠は目の前で起きた火事のために母を失った。それ以来、辰雄は妻を救えなかった自責の念のために、誠は母を救えなかった父への恨みのために、互いに心を閉ざしていく。誠は母の実家に引き取られて成長し、20年後、特別救助隊員として東京で活躍していた。故郷の中神島に転任することが決まった誠は、消防団員になっていた父と久々に再会するが、辰雄が小学校教師の陽子と企画した消化訓練で生徒がボヤ騒ぎを起こし、父子の対面は気まずいものとなってしまう。これに落胆した辰雄は消防団を辞めて漁の仕事に専念するが、その最中に怪我をして入院した。陽子の知らせで病院に駆けつけた誠は、看護婦からの質問に対して、父のことについて何ひとつ答えることができない自分にショックを受ける。入院の準備のために訪れた父の家の押し入れに、辰雄が20年間調べ続けた地震に関する資料を発見したことで、誠は父に対する想いを改めた。さらに誠は、父の世話を何かと焼いてくれる陽子が、20年前の地震の時に辰雄に助け出された少女だったことを知る。誠はようやく父との距離を縮めることができたように感じるが、その矢先、彼らを再び大地震が襲った。建物の崩壊と火事で街中はパニックに陥り、誠は救助隊員として出動する。ところがそこへ、崩れた家の下に陽子が生き埋めになったという情報が入った。誠は現場に急行したが、すでにその中には怪我をおして病院から駆けつけた辰雄が入っている。父を追って中に入り、陽子を助け出そうとした誠は、危険を乗り越えながら見事にふたりの命を救い出した。