古都憂愁 姉いもうと 1967-04-15

公開:1967-04-15    old
 

あらすじ

父の代からの京の味を誇っている“とと喜”では、今日も姉娘のきよ子が亡き親ゆずりの見事な庖丁さばきをみせていた。妹のひさ子には陶芸家の明男という婚約者がいたが、二人の間はしっくりとはいっていなかった。一度結婚に失敗したきよ子は、妹には幸せな結婚生活を望んでいたので気をもんだ彼女は、ある日明男の父を訪ね、結婚の日取りを決めた。ところが彼女の帰途を追いかけてきた明男に“僕の好きなのは君なんだ”と言われ一瞬動揺した。翌日、彼女は先代からの店の常客である作家の信吉に、妹の結婚の報告に行った。信吉はいま、京舞の名手でもある志麻が経営する旅館に寄宿していた。妹の結婚を喜ぶべきであるのに、きよ子は何故か明男の言葉が忘れられず、それを吹っ切るようにその夜、信吉に無理にもと愛を迫ったが、勿論信吉は拒絶した。自棄的になったきよ子は、またもや彼女の帰りを待伏せしていた明男とついに過ちを犯してしまった。当然ひさ子と明男の婚約は破談になり、志麻のとりなしにもかかわらず、ひさ子も姉を許そうとはしなかった。そしてきよ子は明男と共に京都から姿を消した。やがて十年の月日が流れた。文学賞受賞の念願が叶い志麻と共に上京した信吉は、バー“エトワール”のマダムから新しいホステスだと言って紹介されたのが、明男に捨てられたきよ子だった。驚いた信吉と志麻はきよ子を京都に連れ戻し、二人は姉妹の仲直りに奔走しだした。きよ子の失踪以来“とと喜”は、姉妹の後見役市太郎が預かり、ひさ子はおでん屋を開いていた。信吉の受賞祝賀パーティで久しぶりに腕を振るったきよ子の、おとろえない庖丁の冴えに客たちは驚嘆した。市太郎もついに店の看板をきよ子に返すことを承諾した。いまは仲良く、志麻の美しい舞いに見とれる姉妹だった。

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