若親分 1965-03-13

公開:1965-03-13/製作:1965年    old
日本
 

解説

 紙屋五平の原案をもとに「赤い手裏剣」の高岩肇と「座頭市関所破り」の浅井昭三郎が脚本を執筆し「忍びの者 続・霧隠才蔵」の池広一夫がメガホンをとった。市川雷蔵演じる若親分が高い評価を得てシリーズ化され、本作を含めて合計八作品が制作された。
 明治末期、南条組の親分が闇討ちに遭い殺害された。葬儀に海軍の軍服姿で現れた一人息子の武は、やくざの世界に身を投じるのも男の生き方と、二代目を襲名して組を継ぐことにする。父殺しの犯人が滝沢組の関係者であると聞いた武は、滝沢組長の右手首を斬り落とした。しかし父の殺害現場で襲われた武は、本当の犯人が太田黒組の親分伊蔵だったことを知り、滝沢組長の前で手をつくのだったが…。

あらすじ

日露戦争で戦勝気分に酔っていた頃、南条組の親分辰五郎は、将棋帰りに殺され、車曳きの三吉の証言で下手人は滝沢組のものらしいと噂された。葬儀は全国の親分が集って盛大に行われたが、その中には、滝沢組、組長巳之助の顔もあった。その日、辰五郎の一子武は海軍少尉の軍装のまま葬儀に参列して人目をひいた。数カ月後、南条組二代目武の襲名披露は華やかに開かれた。幼馴染みの“花菱”の若い女将京子は、武にヤクザになることの無暴さを説いた。だが武の披露宴は終りに近づいていた。お開きの頃、三吉が巳之助にとびかかるという惨事がもちあがった。だが助人に出た武が、海軍仕込みの抜刀術で巳之助の右手首を叩き落した。父の仇を討った武は、父がひいきにしていた桃中軒雲右衛門を招いて追善興業をうとうと計画した。武は、その打ち合せの帰り道、若い衆に足蹴にされている教師高瀬俊介を助けた。俊介は芸者千代梅と恋仲であったが、千代梅が太田黒組の親分伊蔵の持ち物であるため、ことがめんどうになったのだった。そこへ、先乗りの若い衆が伊蔵のインチキ賭博にひっかかり、雲右衛門の興行権を渡したと血だらけでころがりこんだ。かけつけた武は、バクチでけりをつけようと言われ、賭打場にのぞんだが、伊藤の卑劣なやり方に怒った武は、人質となっている雲右衛門を連れて出ていった。だがその夜、当の恵比須座がつけ火のため焼け落ち、焼け跡の雲右衛門独演会という奇妙な興行となった。その騒ぎが終らぬ内、京子の手引きで俊介と千代梅が武の許へ逃げこんで来た。ヤクザの世界ではこの種の行為に対する制裁は厳しかった。伊蔵の掛け会いにも、武の妙案でのがれた二人は、その夜西へ落ちのびた。見送りの帰り、武の車が父の殺されたガード下に近づいた時、長ドスを抜いて前に立った男がいた。親分を殺った男だ!三吉の叫びで追いかけた武は、その男の背後に伊蔵がいると聞き、巳之助を訪れて、父の仇と誤解したわびを入れた。そして、単身伊蔵一家の待つ決闘場へ乗りこんだ。街は、日露戦勝祝賀でわき返っていた。

Add files...   
画像をこちらに
 
movieimg/1965/2/11620

◀︎ Back