燃える肉体 1957-12-28
公開:1957-12-28
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あらすじ
比沙子は信州のレンズ工場で働いていたが、職工の戸上に暴力で犯され、彼から逃れるため上京して来た。職もなくさまよっているうち、万引団の手先に使われ、逮捕された。が、そのことが報道されると、慈善家の島に救われることになった。彼は以前比沙子のいた孤児院で陶芸を教えたことがあり、自分も孤児上りのため、孤児達に親身な同情を寄せている。警察は彼女を島の手に任せたが、その日、比沙子を追って上京して来た戸上に尾行されてしまった。ある日、使いに出た比沙子は戸上に捕った。その場は、彼のアパートに行くことを約束して逃れたものの、島の恩恵を裏切り難く、彼の許を去った。小料理屋に住みこんだが、そこも首にされ、比沙子は、ヌード・ダンサーとしてキャバレーのステージに立った。彼女は持前の肢体で人気者にのし上ったが、間もなく、どこで知ったのか、戸上のグレン隊が乗り込み、彼女は連れ出された。戸上のアパートに連れ込まれた比沙子は、彼に抱擁されながら思わず手にした肉切庖丁で彼を突き刺しているのに気づいた。それは、ほんの怪我程度のものだったが、比沙子は刺し殺したと思いこんでしまった。孤児院当時島らと行った霧ケ峰で死を選ぼうと決心した彼女は、その前にと島の陶芸場に立ち寄った。島の暖い慰めの言葉に彼女はすべての事情を語った。が、そこへまた戸上のグレン隊が乱入した。警官が来てグレン隊を逮捕し、落着きを取り戻した一同は、比沙子がいないのに気づいた。比沙子は霧ケ峰の深い雪原を、歩いていた。島は馬橇で後を追った。