スティーブ・ジョブズ1995 ~失われたインタビュー~ 2013-09-28
解説
2011年10月5日に逝去した、アップル社創始者スティーブ・ジョブズのインタビュー映像をまとめた作品。1995年にテレビ番組用に撮影されるも放送時に一部しか用いられなかったフッテージを収めたVHSテープを修復し、HDマスター化するという徹底したレストアを敢行して劇場公開する。監督は、テレビドキュメントを中心にプロデューサーとしても活躍するポール・セン。現在のIT化社会を予見するかのようなジョブズの発言が聞けるだけでなく、アップル社から離れていた時期の彼のレアな姿が見られる意味でも重要な作品だ。
あらすじ
1995年夏。PCの誕生に関するドキュメンタリーTVシリーズ" The Triumph of the Nerds: The Rise of Accidental Empires "の番組スタッフは、マスコミ嫌い、インタビュー嫌いで知られるスティーブ・ジョブズとの貴重なインタビュー取材に成功。ところが、番組内ではそのインタビューのほんの一部のみを使用し、残りのフッテージを収録した1インチテープマスターは消失してしまった。2011年のジョブズ死後、監督のガレージから偶然発見されたそのインタビュー映像を収録したVHSテープを修復、HDマスター化し、貴重な映像が18年ぶりに甦った。85年にアップルを追い出される形で退社したジョブズは当時、新会社“NeXT”のCEOとしてインタビューを受けた。本人の口から、機知に富んだ率直な言葉で語られる生い立ち、アップルコンピューターの制作、アップル社について、コンピューターの未来とカルチャーについて。あらゆる面においてパイオニアとして存在したジョブズの視線の先には、どのような地平が見えていたのか。このインタビューの翌年末にジョブズはアップルに復帰。その2年後に初代iMacが、その3年後には初代iPodが発売された。これは、95年に“ジョブズが語った未来”だけを意味するものではない。当時、彼が思い描いていた“未来”であると同時に、その後、彼が実現した“未来”であり、残された我々がこれから成すべき“未来”なのだ。