社長道中記 1961-04-25
解説
源氏鶏太の原作『随行さん』をもとに、笠原良三が脚色し松林宗恵が監督したコメディ。森繁久弥の当たり役「社長シリーズ」の一作であり、一ヶ月後に続編「続・社長道中記」が公開された。
女好きで有名な太陽食料社長の三沢英之介が、大阪へ出張することになった。大阪支社の売上が悪いための視察だったが、社長夫人は営業部長の倉持に夫が浮気をしないようにと依頼。倉持は缶詰の試食係である桑原を同行させる。三沢社長は大阪行きの電車内で、宿泊先の旅館で、次々と美女にアタックした。しかし桑原はそんな社長の攻撃をブロックするのだった。そして舞台は白浜へ。業界団体の会合が行われる白浜で、三沢社長は東京からやってきたバーのマダムをものにしようとするのだが…。
あらすじ
太陽食料社長三沢英之助が今、力こぶを入れているのは、新製品のまむし、蛙、かたつむりの罐詰の売出し。その三沢が大阪へ出張することになった。随行をおおせつかったのはコチコチ社員の桑原。社長の旅先の浮気を封ずるボディガードとして彼が選ばれたわけだ。桑原はその融通のなさでは定評があり、同期の中では一番出世がおくれている。医務室の彼の恋人松浦敬子はそれが大変くやしい。さて二人はいよいよ出発した。三沢社長は車中で早速美人を見つけてちょっかいを出しかけたり、バーのマダムを大阪に呼び出したりする。大阪に着いた三沢は、支社長の土井から最近の我社が競争相手に押されているという報告を聞いて大変驚いた。早速まき返し作戦がはじまる。だが浮気の虫はまた別である。汽車の中の美人芸者をつれ出した三沢は、土井に桑原をまかせてこきげんのナイトクラブめぐり。だがそこでバッタリと会ったのは桑原随行員。酔いつぶすはずの土井の方が、反対にぐでんぐでんの始末であった。舞台は白浜温泉へ飛んだ。三沢は海外にも販売網を持つ南海物産の本田の接待に大ふんとう。だが本田のごきげんは斜めだった。その夜バーのマダムが東京からやって来た。ほくそ笑んだ三沢は強壮剤をのみ下して待ちかまえる。ところがそれは桑原の持って来た睡眠薬で、二人がそれぞれまちがえたからひと騒動。昼すぎになっても起きない社長を心配して、東京から社長夫人と敬子が現れた。桑原は敬子に美人芸者との仲を疑われてしまう。翌朝ゴルフ場で本田に会った三沢は、まむしの罐詰のおかげでホールインワンに成功した本田と契約を結ぶことに成功する。敬子にむくれられてくさった桑原は、三沢の道中記を夫人に告げると彼をおどし、敬子との仲人を約束させたのだった。