弥次喜多道中記 1958-04-29

公開:1958-04-29/製作:1958年    old
日本
 

解説

 十返舎一九の原作『東海道中膝栗毛』をもとに「愛河」の笠原良三が脚本を書き「下町(ダウンタウン)」の千葉泰樹が監督した。撮影は「お父さんはお人好し 花嫁善哉」の西垣六郎、音楽は「愛河」の古関裕而が担当。弥次喜多コンビを加東大介と小林桂樹がユーモラスに演じた。
 作品のネタに困った十返舎一九は、栃面屋弥次郎兵衛と喜多利屋喜多八に金を与え二人に旅をさせる。だが二人をつけねらう謎の美男子に旅を邪魔され、弥次さん喜多さんは面白くない。実はこの男、偽小判事件にからみ姿を消した十兵衛の行方を追う幕府の隠密で、一緒に出発した十兵衛の娘お雪とはぐれてしまっていた。旅先で数々の失敗を繰り返す弥次喜多コンビだったが、二人の行動が偽小判事件を解決に導くことになり…。

あらすじ

弥次郎兵衛と喜多八は、一九先生より頂戴の大判二十両を懐に、小説の材料となって京へのぼることになった。ところが、二人の後を美男子の飴屋がやはり東海道を京へのぼって行く。歌をうたって街道の人気をさらってしまうので、二人は誠に面白くない。この飴屋じつは幕府の隠密で宝井秋之助といい、何者かに連れ去られた金座職人十兵衛の行方を探しているのだった。彼は十兵衛の娘お雪と共に出発したのだが、お雪ともはぐれてしまっていた。さて、弥次郎兵衛と喜多八は小田原の宿で五右衛門風呂の底を踏み抜いたり、女スリお笛の流し目によろめいて虎の子の小判を取られたりする失敗を、しでかしていた--。やがて二人は、峠越えの気味の悪い森に差しかかった。ここは狐が出るという噂のあるところ。一天にわかにかきくもり雷鳴が轟いた。と、森の中に歌声が響いて一人の巡礼娘が近づいて来た。お雪だった。両人より狐と間違えられたお雪は、拝殿の中に逃げこみ跡かたもなく消えてしまった。わが目を疑った両人--しかしこれが端緒で秋之助の乗りこみとなり、偽造小判の本拠、天下をうかがう謀叛人丸橋正忠斎以下を捕えた。二人はお上より両手にあまる褒美の数々をいただき、その上秋之助に劣らぬもてかた。と、そこへこのたびの事件を聞き江戸から駈けつけた二人の女房連。辛くもその手を逃れた弥次郎兵衛に喜多八は、またとぼとぼと駿河路を京へのぼって行った。

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