HARUKO ハルコ 2004-05-01
公開:2004-05-01/製作:2004年
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解説
僅か12歳で韓国から渡日し、怒濤の人生を歩んできた在日一世の金本春子さん87歳。本作は、そんな彼女のありのままの姿を朝鮮総連のカメラマンである息子が克明に捉えた在日朝鮮人家族の絆の記録。彼女は日本に渡って7人の子をもうけた。ところが、夫の放蕩で生活もままならず、一家離散も経験する。その間も彼女は家族を養うためにヤミ商売で生計を立て、37回もの逮捕歴を重ねた。今でも亡き夫を許さないと口にする彼女と、父は父と慕う子供達との衝突は絶えない。様々な問題で価値観を異にする母と子供達だが、それでも家族の強い絆が揺らぐことはない。
あらすじ
金本春子(韓国名、チョン・ビョンチュン)さん、87歳。12歳の時に紡績工場の女工として日本に渡った彼女は、17歳で同郷の夫と結婚し、7人の子供をもうけるも、夫は放蕩三昧。一度戻った故郷・済州島に、夫と、長女と四女のふたりの娘を残し再渡日すると、新宿で違法だったパチンコの景品買いの仕事を始めるのだった。逮捕回数37回。しかし、他に生活の糧を得る術のない彼女は、大勢の子供たちを養う為、幾度となくその仕事に戻る。やがて、貧しさに耐えかねた次女が家出、50年代に入ると三女が地上の楽園を求めて北朝鮮に移住した。それでも、春子さんは気丈に女手ひとつで残った子らを立派に育て上げた。そんな母の姿を、傍らで見続けてきた長男・金性鶴さん(66歳)。ふたりの間には、今も思想や国籍、13年前に他界した父に対する思いを巡る溝があるが、彼は決して親孝行を惜しまなかった。何故なら、オモニの苦労の上に、自分たちの幸せがあると言うことを知っていたから。