私の悲しみ 2012-07-07
解説
悲しみを抱く主婦や男運に恵まれないOL、女癖の悪い詐欺師やストーカーの青年など、14人のしがない男女が織り成す八つのストーリーを紡ぐ群像ドラマ。ドキュメンタリー『加地等がいた -僕の歌を聴いとくれ-』の堀内博志がメガホンを取り、本作は第12回TAMA NEW WAVEのグランプリと女優賞を受賞した。14人の男女を演じるのは、永峰絵里加、山田ゆり、いとうよしぴよ、松本高士といった個性的な俳優陣。登場人物が交錯し、ささやかな希望へとつながるストーリーを編み出した、新鋭・堀内監督の演出手腕に注目。
あらすじ
東京の専業主婦・神田慶子(永峰絵里加)は、ある出来事によって深い悲しみを抱えるようになった。夫の義弘(いとうよしぴよ)は、そんな慶子から逃げるように、帰宅後毎日ジョギングに出かけるふりをして、不倫をしている部下の美樹(山田ゆり)のアパートを訪ねている。そのころ、義弘の妹・朋子(よこえとも子)が惚れた男を追いかけ、関西から東京へやってくる。東京に着いた朋子はその男に電話をするが連絡が取れないため、仕方なく義弘の家へ向かう。すると、慶子が包丁で首を刺そうとしていた。慶子が犯した些細な罪を目撃したアマチュアミュージシャンの竹内幸也(松本高士)は、その光景が忘れられない。幸也の弟・拓也(松永拓野)は、彼女の香奈(田口実佳)と結婚すると告げる。ある男に脅されている拓也を助けようと、香奈は男の元を訪ねるが、そこで拓也の隠していた過去を知らされる。美樹の会社の後輩で、結婚願望の強い奈津美(米本奈津希)は、怪しい美容品の勧誘をしている木村(大西貴之)と付き合っているが、木村の女癖の悪さに不満を募らせている。朋子は惚れた男を探して東京中をうろうろしながら、兄や慶子、そして東京で出会う様々な人々に、自分なりの生き方を説き伏せていく。しかし、自分の探す男とは出会えない……。