われは海の子 1956-10-31

公開:1956-10-31    old
 

あらすじ

漁婦マキの夫は漁船の機関士だったが遭難に会い、浜辺に上ったのは愛用の麦藁帽子一つだけ。マキは一人息子の一郎を、夫を失った海へどうしても入れようとしなかった。だが母親の願いも、海に憧れる一郎の気持を消すことは出来ない。そうした一郎も、夏休みの或る日、魚の行商に汗水たらす母の姿を見る中、母の切願通りにしようと決心する。しかし仲間の誘いをことわって机に向ったものの、海の呼び声には勝てず、遂に家を飛出し、皆と一諸に小舟を操って、岬にある水産学校の練習船を見に出かける。遊び疲れた少年達の帰りは遅い。心配した村では篝火をたき、救援の船を出す。村に漕ぎ戻る船上、艪を使う一郎は、ありありと父の幻影を見、漕ぐ手にぐんぐん力が入る。村人の助力で子供等は無事帰還。かけ寄る母親に一郎は「父ちゃんに会ったぞ!」と叫ぶ。一郎の父は、海になお生きている。「もう海さ入んななんて言わねえぞ」というマキ。やがて船出の日、一郎は父の形身の帽子をふりながら、喜びと悲しみをこめて見送るマキを残し、海へと出て行った。

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