流転の海 1990-11-03

公開:1990-11-03/製作:1990年    old
日本
 

解説

 宮本輝原作の同名大河小説(第一部)を映画化。監督は斎藤武市、脚本は須川栄三がそれぞれ務めた。撮影は岡崎宏三が担当している。主演に森繁久彌を迎え、終戦直後の大阪で生き抜く疎開帰りの破天荒な商人の生き様を描く。
 終戦直後、伊予一本松の疎開先から廃墟と化した大阪に戻った松坂熊吾は、自らの土地がヤミで占領されていたため、仕切り屋のヤクザらと勝負して土地を取り戻した。灘の仮住まいに帰宅すると、妻の房江が出産、熊吾は50にして父となる。自動車関係の商売を始めたかつては小僧だった海老原との確執など、商売を続けていく熊吾には休まる暇もない。芸者の千代鶴との再会、貴族家の亜矢子との出会いなどを経て熊吾は道を切り拓いてゆく。やがて、部下の辻堂が、亜矢子と通じていることが発覚する。

あらすじ

敗戦直後の冬、郷里伊予一本松の疎開先から一望焼け野原の大阪に帰ってきた松坂熊吾は、自分の土地が闇商人達に占拠されていたため、闇市を取りしきる若いヤクザと際どい勝負で土地を取り戻すが、千人針の復員兵に、「あのヤクザは四人も殺した奴や」と教えられる。灘の仮住居に辿り付くと、妻・房江が一ヶ月も早い出産をしていた。後日、熊吾は元番頭の井草と共に、神戸で自動車部品のの商売を始めた海老原太一の祝いに訪れるが、かつて小僧だった海老原のなれなれしい言葉に熊吾は激怒してしまう。そんな頃、熊吾の商売も漸く始動し、機動に乗り始めるが、その裏で糸を引く海老原の策謀、そして対決と熊吾の身辺には激動が続くのだった。時を同じく、復員兵の辻堂が働きたいと訪れてきた。こうして熊吾は辻堂と、千代麿という不似合な名前を持った運送屋・丸尾を左右の腕に商売を続ける。そんな中で、熊吾に想いを寄せていた芸者千代鶴との再会、美貌の没落貴族の娘・亜矢子との出会いなど色模様もあったが、海老原との対決も次第に拡大していくのだった。それでも闘志を燃やし、その戦にようやく勝ちが見えてきた頃、熊吾は忠実な部下と信じていた辻堂が亜矢子に溺れて背任とも言える行動をしていたことを知る。そして更に房江や息子・伸二の相次ぐ大病などによって重大な選択を迫られることになる熊吾だったが、熊吾の商売人生はまだこれから始まろうとしていたのだった。

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