晴れたらポップなボクの生活 2006-01-21
解説
青木雄二の短編『淀川河川敷』を原案にした異色ロード・ムービー。会社を辞めホームレスとなってしまった青年が、先輩ホームレスの中年男性との“旅”を通して成長していく姿を描く。主演はお笑いコンビ・カラテカの矢部太郎、共演に池畑慎之介。会社を辞めた青年・尚樹は寮を追い出され、いつしか河川敷のダンボールハウス村で、ホームレス仲間たちと青空生活を送るハメに。ある日、変わり者のユウさんが突然“旅へ出る”と言い出したのに興味を持ち、一緒に着いて行くことにした尚樹だったが…。
あらすじ
会社を辞めた尚樹(矢部太郎)は寮を追い出され、住所不定の宿無しになる。仕事がないと部屋が借りられず、住所がないと仕事に就けない。社会からこぼれ落ちることは、煙草をやめるより簡単だった。尚樹は、いつしか河川敷のダンボールハウス村で、ホームレスの仲間たちと青空生活をすることになった。仲間は、台湾生まれのヤンさんとヤンさんと同居している美幸。美幸に惚れている高田さん。元自衛隊員で、今は何よりキレイな服を着ることに命をかけているマーちゃん。ゲンセンは、ホームレスに生活保護を受けさせてやっては、そこから報酬を天引きする悪徳NPOだ。そして、いつも野球の審判マスクをつけ、誰も素顔を見たことのないユウさん(池畑慎之介)がいる。ある日、変人のユウさんが突然「旅に出る」と言い出した。初めて素顔を見せたユウさんに興味を持った尚樹は、旅について行くことに。どこへ行くのか、何しに行くのか、説明は一切なし。東京を二人は歩きつづけ、一銭も使わずに移動し、食べ、物を分け合い、道端で眠る。だが、ユウさんの“旅”は、ただの“旅”ではなかった。15年前のある殺人事件と、別れたまま想い続けていた女性。そして、自分の帰りを待つ老いた父に、どうしても謝りたかったのだ。逃げてきた過去に向かい合ったユウさんは再び旅に出て、尚樹もまた一人で歩き始めるのだった。